カフェ塾(20)2012年5月

第20回カフェ塾報告

日時:平成24年5月19日(土)

場所:地下鉄長堀鶴見緑地線・「松屋町」下車、町屋カフェ「楽」にて

テーマ:「道州制の哲学」

講師:小倉 暁

先日8カ月ぶりに、道州制カフェ塾を再開しました。この8カ月の間に起こ

ったことで、道州制の関して大きな動きは、何といっても大阪維新の会の躍進

で、橋下大阪市長の誕生と府市統合本部ができたことでしょう。教育条例や職

員条例が可決され、ギリシャ化が避けられるならこれに越したことはないと思

います。

一方で道州制を推進する市民運動もテーマが見つけにくくなってきているよ

うに思います。すでに多くのテーマが大阪都構想の実現過程で実際の政治テー

マとして取り上げられているからです。地域主権型道州制を導入しようという

立場からは「維新八策」のように中央政府に何を突き付けていくかも、中身の

是非はともかく、提案され、地域発の道州制運動の体をなしてきつつあるよう

に思います。

この間、日本の政治経済状況が大きく変わったわけではなく、新興国の発展

から先進国がいかに衰退してきているかがより鮮明になってきただけです。

大阪地域は橋下市長の牽引だけでは旧来の低付加価値産業と高い失業率と生

活保護率から脱却できないでしょう。知識産業に大胆に産業構造を転換する必

要があるでしょう。そのために必要なことは短期的利得のための実学中心の教

育から、長期的国益につながるような「哲学」教育を重視することではないか

と思います。またそれを尊重する風土づくりも大切です。

今回、拙著「道州制の哲学」を題材に、ルソーの一般意志問題を取り上げま

した。主権や民主主義というものをその根本にさかのぼって考えようという趣

旨です。一般意志は単なる人民主権をいうわけではありません。表面的には矛

盾と屈折を抱えた難解な概念です。その一般意志と「維新八策」のなかでもい

われている「首相公選制」を取り上げました。一般意志から考える首相公選制

です。簡単に結論が出るテーマではないですが、引き続き「関西州サイバー議

会」でもこの「八策」や、「関西州に期待するもの」として、意見を募っていき

たいと考えています。

皆さんからの積極的な提案をお待ちしています。 (文責:小倉 暁)

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