道州制ウイークリー(316)~(319)

 よりよき社会へ国のかたち改革 《道州制》関西州ねっとわーくの会

■道州制ウイークリー(316)2022年8月6日

◆これが「日本型州構想」④

(佐々木信夫著『元気な日本を創る構造改革』より)

「州構想」の実現には詰めなければならない論点、ポイントがたくさんある。第一は州制度の性格をどのような自治体とするのか。州構想は、知事・議会は公選、役割は広域自治体で自治権を持つ。第二は州制度のもと、国、州、市町村の所掌事務をどうするか。第三は各州の区割りをどうするか、いくつの州にするのか。第四は、「州構想」の制度を単一化するか柔軟性を持たせるかどうか。第五は、市町村(大都市、小規模町村を含め)と州の関係をどうするか。第六は、州政府の知事、議会、職員機構、旧府県の扱いなど組織設計をどうするか。第七は、現実に存在する地域間格差、税財政格差をどう調整するか。第八は、いつごろ、どんな政治勢力、どんな内閣がこれを実現するのか。

一般国民からすると、都道府県が州に変わる話は夢物語のようで不安かもしれない。130年の間に私たちの間に私たちの生活に都道府県という制度は定着している。

「州構想」は行政上の仕組みの合理化であって、地域としての都道府県を消す話ではない。東北州岩手、九州州佐賀というように、地域名として旧県名はそのまま生かされていく。甲子園の県対抗高校野球も地域名の県対抗としてそのまま残るであろう。要は行政上の合理化の話にとどまるのが州制度移行の話である。この先、国民は大増税を選ぶか、サービス大カットを選ぶか、それとも統治の仕組みを変えるか、そのいずれを選ぶかの選択になる。人口減が本格化する中、早晩、日本政治の最大の争点はここに収斂していく。「州構想」は、すでに政令市等の増大で府県行政は空洞化しているが、その実態をふまえ、大都市を強くすることで府県行政は代替させ、むしろ国の内政の受け皿となる広域政策の主体を創るものなのだ。

 

 

 

 

 

よりよき社会へ国のかたち改革 《道州制》関西州ねっとわーくの会

■道州制ウイークリー(317)2022年8月13日

◆これが「日本型州構想」⑤

(佐々木信夫著『元気な日本を創る構造改革』より)

日本で出生率が高いのは九州だが、この特性をより伸ばすために、例えばこの九州7県を一つの「州」(九州州)にしたとする。そうすれば、九州が独自の政策として海外との交流を図り、経済活動を活発化させるという展開を描くことができる。県境に位置する市町村はどこも不便で寂れがちだが、これを州にし県境を外すことで甦る可能性がある。

福岡をハブ(拠点)空港にし、海運では北九州で韓国とのつながりを深めることも可能だし、それぞれ7県の持ち味を生かしながら広域政策として束ねていくなら経済力は数段増してくるのではないか。現在もオランダ並みの経済力を持っているが、「九州が一つ」になることでそれをはるかに凌ぐ発展が期待できる。もちろん、「ななつ星」の特急列車の名称のように七つの県のよさは失わずに大きく九州圏を州にすることだ。

日本海、東シナ海の対岸にはインド、中国、東南アジアという振興めざましい経済発展の地域が広がる。これまで東京中心にみると九州は端に位置したが、九州から見ると東京が端になる。「九州の自立を考える会」は、2014年に「九州の成長戦略に係る政策提言」をしている。それによると、九州が高い潜在力を有し、産業と雇用の創出効果が高いと思われる分野として、①観光資源、②農林水産業の経営力強化、③先端中小企業の育成とエネルギー供給戦略、④空港、港湾等の機能強化その他のインフラの整備,⑤スポーツの振興、スポーツ関連産業の育成等の五つの柱を設定している。うち、①の例でいえば九州各県、各都市等の地域連携と競争による「観光王国九州」の確立が可能である。まさに府県制のくびきを解き放した瞬間、新たな九州が顔を覗かせるという訳だ。

九州は今後、伸びていく潜在力が高い。ただ七つの県に分断されている今は、その能力が十分に生かされていない。それが州制度への移行で大きく変わる可能性が高い。巨大なアジアの市場への意近距離に立つ九州だ。これが一つの九州として独自の政策展開ができるようになると、飛躍的に成長する可能性は高い。

 

よりよき社会へ国のかたち改革 《道州制》関西州ねっとわーくの会

■道州制ウイークリー(318)2022年8月20日

◆自治体再編で12州300市へ①

(読売新聞社『21世紀への構想・1997年』より)

 国全体にわたる行財政運営の行き詰まり、高齢社会の到来などの時代状況を踏まえ、活力ある社会を維持・発展させるには,、官・民の役割の在り方を見直すとともに、中央、地方を通じた行政システム全体を改革する必要がある。中央省庁再編と併せて、国と地方の関係を新たな視点でとらえ、地域の個性的な発展と地方自治の自立・自己責任の原則を確立するため、政府・国会の主導により、現行の都道府県・市町村体制を12州・300市体制に再編する。

12州・300市体制

  • 2001年から5年間をめどに、全国3200余(当時)の市町村を300程度の「市」に合併・統合する。合併・統合された「市」および政令市を含む既存の一定規模以上の「市」を基礎的自治体として、権限、財源移譲の一義的な「受け皿」とする。
  • 基礎的自治体をすべて「市」以上の規模にしたうえで、国、都道府県から基礎的自治体への権限移譲を段階的に進め、2010年ごろまでに、都道府県を「州」に再編する。「州」の区分は、北海道州、東北州、北陸信越州、北関東州、南関東州、東京州、東海州、近畿州、大阪州、中国州、四国州、九州の12とする。
  • 市および州には公選の首長と議会を置く。
  • 政府・国会は2000年までに、以上のような地方制度再編、国・地方関係の改革に向け、具体的な基礎自治体の統合・州区分案、実施スケジュールを作成する。

 

 

 

 

 

 

よりよき社会へ国のかたち改革 《道州制》関西州ねっとわーくの会

■道州制ウイークリー(319)2022年8月27日

◆自治体再編で12州300市へ②

(読売新聞社『21世紀への構想・1997年』より)

 中央と地方の役割

  • 国は、主に国の基本にかかわる統一的政策、国民全体の利益にかかわる分野を担う。 

①国家的基盤の維持(外交、防衛、司法、治安、通称、通貨、教育基本政策等 ②国民生活安定の確保(経済・労働政策、物価、エネルギー等) ③社会保障基盤(年金、医療保険、雇用保険等) ④統一基準の制定と監視(公正取引の確保、環境基準、労働基準等) ⑤州間の調整、国家プロジェクトの推進(基幹的交通体系等)、大規模災害対策等

  • 基礎的自治体である「市」は、身近な生活に関連する行政施策を自主的に進める。

①地域社会福祉(児童福祉、老人福祉等) ②医療・公衆衛生(生活廃棄物処理を含む) ③生活基盤にかかわる公共事業(下水道、都市計画,公園・道路、住宅等) ④教育・文化(保育所、義務教育、高校、図書館の運営等)

(3)「州」は、広域に及ぶ行政及び「市」間の調整を行う。

 ①幹線道路、空港、港湾等の公共事業とその管理運営 ②広域災害等の防止、復旧等 ③地域労働・雇用政策 ④環境保全

 

自民党大会で道州制報告

◆自民「道州制下での基礎自治体のあり方」報告 2018年3月25日

(自民党大会党情報告より)

3月25日に開かれた自民党大会で「道州制下の基礎自治体のあり方」が

報告されました。それによると、新たな考え方として、道州制の導入は、

国から広域自治体である道州への分権を徹底することにより、道州の地域経営のパワーを増強することを基本とし、道州制の導入に当たっても、現行の市町村がそのまま基礎自治体として移行する(市町村合併を前提としない)。また、道州制の下での基礎自治体の事務として、1.指定都市・中核市は、都道府県から事務・権限が移譲されて事務範囲が拡大。2.一般市町村のうち、一定規模以上の市についても、都道府県から事務・権限が移譲されて拡大。3.一般市町村のうち、一定規模未満の市及び町村については、道州制に移行しても、原則として現行以上の事務・権限は委譲しないものとし、案1として、さらに小規模市町村については、現行の市町村事務のうち一部を道州が処理することとし、事務範囲が縮小、案2として、事務範囲は変化しないが、道州(支庁)による補完、周辺市町村による補完を行う、としている。