カフェ塾(13)2011年1月

第13回Cafe塾

「THE 町興しプロデュース」
地方の窮状、デザインで行う地域活性化

 

講師:池田 毅 氏 ( 株式会社アイ工房社長 )

日時:平成23年 1月15日 (土曜) 16:30-18:30

場所:カフェバー 楽

第13回カフェ塾 報告

2011年最初のカフェ塾はこれまでの政治・行政・学問分野を離れ、民間の立場から「町おこし・地域ブランドの開発」を手掛けておられるデザイナ―の (株)アイ工房社長の池田毅氏をお迎えして、地域再生の現場におけるデザインプロデュースの役割とその開発実態について興味深いお話を伺いました。
道州制導入にあたって、政治・行政・商工会・事業者・生活者が一体となって地域再生を進めなくてはなりません。特に、過疎地域の産業基盤をどうつくっていくかは地域の雇用創出、地域財政の安定、住民福祉の向上のために第一義的に重要です。企業誘致が必ずしも成功をもたらさないことは、新興国の追い上げを勘案したときに容易に想像できることです。

池田氏のお話は地域の特産品の発見から始まります。高知・徳島で手掛けられた「ゆず」や「和紙」の特産品が広がりをもたらす秘訣をいくつか披露いただきました。たとえば和紙と竹を結び付けて「和傘」を特産化する。その地域にあるもの(自然物)を使わないと特産化しないということでしょう。それを物産館で売るだけでなく、特産品づくりを体験してもらうことで観光と結び付ける。この結び付ける活動は、特産農産物の販売をすでに廃校になった学校や幼稚園の施設を使うことで資源の掘り起こしにまで広がります。さらに氏の活動は障害者授産施設から生み出される産物のブランド化にも及びます。

こうした一見弱みに見えることも、視点を変えることで地域再生の豊かな資源となるということだと思います。恵まれないことは決して弱みではなく、そこにこそ本当のポテンシャルがあるのかもしれません。 これまでは商工会婦人部・青年部のまじめな取り組みから合同会社設立に至ったケースもあったそうですが、やはり地域のリーダーをどう育てていくかが課題だそうです。行政の単年度補助事業という形では継続性が担保しにくい構造にも問題があります。しかしデザインを地域再生に生かす試みは、町づくりの観点から今後ますます重要になってくるように思います。

 

ご紹介

池田氏の講演の中で登場しました。awanowaブランドと河野和真君のご紹介を致します。

awanowaブランドとは、池田氏がプロデュースしたブランドです。授産施設等で働く利用者の工賃を引き上げるため、また、授産品の販売促進を図るために「とくしま障害者授産支援協議会」が中心となって、各施設の若手職員からなる「ブランド研究会」を設置し、各施設間の意識共有化を図りながら実施しているものです。

そういう環境の中で、河野和真君は、先生から教わった針金細工を自ら工夫してワイヤーアートに高めてしまいました。日々独学で図鑑を見たり、PCに取り込んだ画像を見たりしながら制作にいそしんでいます。
「自由な発想とそれを助け、はぐくむ力」ここに日本の未来へのヒントがあるのかもしれません。

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