カフェ塾(16)2011年4月

第16回Cafe塾

「大阪市の考える道州制イメージ」

 

講師: 大阪市政策企画室企画部 地域主権担当課長 東中秀成 氏

日時:平成23年 4月16日 (土曜) 16:30-18:30

場所:カフェバー 楽

第16回カフェ塾 報告

去る4月16日に、大阪市の地域主権担当課長である東中秀成氏を講師にお迎えして、「大阪市の考える道州制のイメージ」と題してカフェ塾を開きました。

巷間伝えられるような橋下VS平松の対立構図は別にすれば、広域道州制のイメージは私たちの考えるイメージとそれほど違いはありません。とりわけ関西は大阪・京都・神戸という伝統的な大都市を抱えているために、広域行政~関西州というものを考えた場合、トロイカ制 にならざるを得ません。これら大都市が、他の基礎自治体を引っ張ることになるのですが、たとえば大阪市にそれだけの覚悟があるのかといえば、現在の政令指定都市が居心地がいいのか、それ以上の権限と役割をもつことに消極的なように見えます。

大阪市は、「大阪市は基礎自治体である」という自己規定から区長の公選制には反対です。基礎自治体を分割することにももちろん反対ということになります。この巨大な基礎自治体は周辺の守口市や尼崎市、堺市との間で問題が生じれば「自治体間調整」が行われればいいと考えているのでしょうか。本来大阪府はそうした調整的役割が主だが、主導権をとって、基礎自治体である大阪市をはじめ、府内の基礎自治体に「指令」をすることに違和感をもってしまうというのは、極めて歴史的、感情的な問題であるように思えます。

今後の道州制議論において、大阪市、京都市、神戸市を基礎自治体と見るのかどうかは、基礎自治体とは何かという問題を別にしては語れません。基礎自治体が担うべき権限・役割・責任は、まさしく自治の範囲はどこまでかで決まってきます。昼間人口の多い巨大都市が基礎自治体としての機能しか果たさないというのは、常識的に見て無理があります。たとえば交通網の整理が関係自治体の水平調整だけで片付くわけでもないでしょう。中枢機能を担う都市の関西州全体から見たときの役割は、そこに住む市民だけの基礎自治体としての役割だけではないはずです。中枢都市の権限と責任の由来は関西州から来るのです。

 

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