道州制ウイークリー(138)~(142)

■道州制ウイークリー(138)2019年3月2日

◆関西広域連合を進化させ「関西州」をめざせ⑤

(関西経済同友会緊急アピールより)

一足飛びの「関西州」実現には困難が予想されるため、次のステップを踏むことを提唱する。

<ステップⅠ>

関西空港と伊丹空港の経営統合が成功している事例からわかるように、空港、港湾、道路などインフラの一体的整備と運用は、資源を有効に活用できる。総合力も発揮できる。関西には、多数の公設試験所や支援機関、大学、研究機関等があり、一元化された経済産業政策のもとに一体となって結束すれば、大きな効果を生む。インフラ整備や、経済産業政策等において府県と出先機関がそれぞれ独自に取りこむ仕組みを改め、一元的なビジョンと計画のもと、関西全域の資源を結合し、一体となって発展を目指すべきである。

(1)従来の委員に加え、国の出先機関の代表者を「関西広域連合」委員に委嘱する。

各出先機関の代表者も、メンバーに加わり、情報交換と協議の基盤をつくるとともに、関西全体の政策運営となって携わり、広域行政一元化の第一歩とすべきである。

(2)国に「関西広域担当相」(万博担当大臣と兼任とする)を創設し、「関西広域連合」委員に委嘱する。

大臣は、関西の政策実現にむけたパイプ役を担うべきである。

(3)「関西広域連合」にデジタル専門機関を創設し、ビッグデータの活用を目指す。

関西広域連合に、デジタル化・データ活用等の専門機関を創設し、政策や予算、投資の有効性・執行効率を高めるべきである。そして国・州・府県・市町村の行政サービスの再編成を目指すべきである。

 

■道州制ウイークリー(139)2019年3月9日

◆関西広域連合を進化させ「関西州」をめざせ⑥

(関西経済同友会緊急アピールより)

<関西州へのステップⅡ>

(1)国の出先機関の業務を「関西広域連合」に移管し、自治体として執行する。

関西では関西広域連合が各出先機関の受け皿となり、「自治体」として一元的・一体的に広域行政(独自の広域産業政策、インフラ整備、保険・医療福祉、各種保険、環境政策など)を担う体制を目指すべきである。このうち、広域産業政策、インフラ整備については、国の出先機関の人員、権限、予算等をそのまま関西広域連合に移行する。なお、「道州制特別地域における広域行政の推進に関する法律」の適用を受けることで、関西は「道州制特別地域」となるべきである。

(2)府県を存続させ、必要業務を、府県から「関西広域連合」に移管する。

関西が関西州を目指すとしても、直ちに府県を廃止すべきでないと考える。①府県を廃止すると、市町村と「州」の間に大きな隔たり(距離及び規模)が生じてしまう。市町村と「州」の間で十分なコミュニケーションや協働をはかることは難しいと考える。②各府県には、歴史・文化・伝統・風土・気質などに根差す帰属意識があり、このような無形の価値は大切にすべきである。③府県業務のうち、本来的に府県レベルで担うべき業務があり、それらを「州」に吸い取ることは「近接性の原理」に反し、地方分権と言えない。④府県の廃止には府県の反対が強く、その意向を無視することは出来ない。

(3)デジタル化推進による行政効率化については次回に掲載。

 

■道州制ウイークリー(140)2019年3月16日

◆関西広域連合を進化させ「関西州」をめざせ⑦

(関西経済同友会緊急アピールより)

<関西州へのステップⅡ>続き

(2)府県存続の補足

関西広域連合(ゆくゆくは関西州)で担う方が望ましい業務は、府県から関西広域連合に移管することが肝要である。すなわち、府県と関西広域連合の役割を見直し、再編成する。このことにより、スピード速い、効率的な、関西の更なる発展が期待される。府県を永続的に存続させるかについては、府県の役割が再編成される中で効率的な行政と住民サービスの観点で判断すべきと考える。

(3)デジタル専門機関によって、ビッグデータの解析を行い、政策立案への活用、電子政府による新サービスの提供、行政の効率化など、運用を本格化する。

デジタル専門機関を本格的に運用し、行政に活かす。行政効率を上げて、コストを下げる。住民サービスの向上をめざし、投資のアウトカムの検証をし、未来予測等を導入して政策決定に活かすことが重要である。行政サービスの効率を高め、新しいサービス、仕組みを創造するべきである。また、関西広域連合がデジタル技術を活用することにより、関西各自治体(府県・市町村)の業務を支援し、効率アップをはかることができる。特に、医療・介護・福祉においてビッグデータを活用し、効率化をはかることで、社会保障費の増大を抑えるべきである。

 

 

 

 

■道州制ウイークリー(141)2019年3月23日

◆関西広域連合を進化させ「関西州」をめざせ⑧

(関西経済同友会緊急アピールより)

<関西州へのステップⅢ>

(1)フランスに見られるような議員兼任制度を採用し、公選議員による議会を設置する。

関西広域連合が関西の広域行政を一元的に担い、執行するに当たっては、その正当性が求められ、そのためには、住民による選挙で選ばれたる議員で構成される議会が必要になる。関西広域連合議員には、国会議員・地方議員との兼職を認め、幅広い視野から職務を遂行させる。複数の公選職を経験させることで、政治家としての力量を向上させる。兼職する議員の報酬は、所属自治体ないし国が折半するなど、歳費を抑える。

(2)首長を、議会から互選する。

首長は、準「議院内閣制」的に、議員から互選するのが望ましい。関西ほどの広いエリアの長を直接公選することは、政治的安定を損なう可能性もあり、慎重に考えるべきである。

(3)上記ステップを踏んで、「関西州」を樹立する。

上記ステップを踏んだ上で、必要に応じて法令の改正をはかり、「関西州」を樹立する。「州」の名に値するためには、自主課税権を持つこと、法律の上書き権を獲得すること、そして関西における諸大臣を設けることが目安となる。

まず、関西州を目指す議論と運動が盛り上がり、広く社会の理解を得ることが必要である。その上で、関西州の成立が成功を収め、そして全国に道州制への機運が高まることを期待する。

 

 

 

■道州制ウイークリー(142)2019年3月30日

◆新しい自治制の時代へ(関西州ねっとわーくの会)

激動する世界の中で、日本は発展か、衰退かの岐路に立っています。

国の再生と安定した社会基盤づくりには強靭な経済力が必須要件です。そのためには経済発展を展開する思い切った大地域圏を形成し、地域力を結合させなければなりません。経済拠点である大都市連携を包括するには、細切れの47都道府県から広域行政体への再編が必要です。大地域圏は少子高齢化による人口減少時代や経済社会の広域化にも対応し、競争力のある強い地域圏を形成する「広域行政経済圏」です。これが新しい自治の姿である「州制度」です。世界は今、メガリージョン(大地域圏)の時代です。

大地域圏「州」は、国主導型ではなく、連邦制でもなく、地域の自治による広域自治体です。各州で産業経済特区を形成し地域戦略を展開、公民学共同の産業技術総合研究センターを設置して一極集中ではない多軸、多様な高度技術研究開発を牽引し、さらに全国一律最低賃金の引き上げを段階的に行って地域格差是正をめざす改革です。府県再編、行政改革により行財政の効率化を図り、高齢社会を支える巨額の財政需要に対応していきます。州は広域地域戦略の司令塔となり、地域社会保障の基盤を強化、地域共同体が連なる新しい国づくりにつなげていきます。

州が大地域圏の広域行政を担う一方、現在の府県地域内に関わることは新たな中間的機関を設けず、関係市町村による広域連携部門を設置し、その地域に応じた施策をすすめていくのが望ましいでしょう。

新元号となり、2020東京五輪後の国策として、新しい国のかたちへ転換し、課題解決、改革へ進める時です。もはや「課題先送り」はできません。

 

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