カフェ塾(6)2010年5月
6回カフェ塾
第六回Cafe塾 奈良塾
「道州制で何が変わるか 〜関西経済から道州制を見る」
講師:高松義直 (関西州ねっとわーくの会代表)
日時:平成22年5月29日(土)午後3時15分~6時00分
場所:奈良県経済倶楽部 5F小会議室
■関西州ねっとわーくの会からの報告
▽関西州ねっとわーくの会道州制カフェ塾 奈良塾開講のあいさつ
▽参院選 関西の候補者に道州制アンケートを行います
▽道州制フォーラム・「関西州議会」企画の中間報告
年内開催目指す 市民が議員、関西の課題を討議
■高松義直 道州制リポート
道州制で何が変わるか~関西経済から道州制を見る
―塩沢由典大阪市大名誉教授著「関西経済論」から
中央集権制から道州制に転換すると様々な効用があるが、導入すれば全て解決するものではない。関西が自ら議題を設定し、関西の諸問題に取り組むには、頭脳機能と神経機能が 働かねばならない。関西は世界の大都市圏としては4位の経済規模を持つ、有望地域だが、その利点を生かし切れていない。京阪神・関西の総合力を生かすには何が必要なのか。次代の産業構造を予測すれば、「ものづくり」から「創造産業」に移行せざるを得ない。その条件は何か。関西経済の発展・成長にとって道州制がどういう役割を果たすことができるのか、が本日のテーマです。
- 道州制で何が変わるか
- 関西の頭脳機能と神経機能
- 1日交流圏・関西の可能性
- 関西活性のカギ
■フリートーク
かきの補足、最後にフリートークを行いました。また、地域主権型道州制国民協議会との事情・関係説明を行いました。
<補足>
▼全国一律の失敗例・リゾート法<中央集権から道州制へ>
リゾート法は正式名「総合保養地域整備法」。1987年制定。全国41道府県42地域で基本構想が策定された。「ゆとりある国民生活の実現」と「地域振興」という目的が掲げられたが、真の狙いは内需拡大。第一陣の宮崎シーガイヤ、長崎ハウステンボスが会社更生法申請。2003年までに民間施設の整備進捗率が17%、採算の合わないゴルフ場やリゾート・ホテルが1000施設以上も残された。リゾート法の失敗は多面的であり、道州制の下でなら、すべての負の側面が防げたとは言えない。しかし、各州ごとに開始時期がずれ、先行じた州の失敗を見て開発に慎重になったところも半数近くはあったであろう。各道州が開発重点地域を選んだとすれば、共倒れはかなりの程度避けられたに違いない。
▼大阪府と大阪市の合併論<府県では狭い>
大阪府と大阪市については、しばしば、二重行政の故をもって、合併すべきだという議論がでる。しかし、それは基礎自治体と広域政府との役割の違いを混同したものである。二重行政は解消したらよいが、府市合併はあってはならない。もっとも、基礎自治体の機能強化のために、市を解体して、現在の区を基礎とし、首長と議会を持つ自治体(東京特別区に相当)を創設するというなら、話は別。
▼失敗した映像産業育成<21世紀の産業構造>
映像産業育成は、USJの解説前に唱えられていた。当時の市長、港湾局長、経済局長など、だれも言っていた。USJは解説されてから、周辺に映画産業と言えるものは1つの事業所もない。コンテンツ産業育成のい難しさ。東京では課題に気づくところから、正規の政策となるまでに数年をかけて対策を検討している。その後追いでは、勝てない。東京が興味を持たないニッチな領域に特化しなければ、コンテンツ産業は育たない。