カフェ塾(11)2010年11月
第11回Cafe塾
『関西広域連合と大阪府の府市統合』
〜 大阪府の政策を聞く 〜
講師:大阪府政策企画部地域主権課 中谷文彦氏
日時:平成22年11月13日(土)午後4時30分~8時30分
場所:カフェバー 楽
第11回カフェ塾 報告
先日11月13日(土)に、大阪府政策企画部地域主権課の中谷文彦氏をお招きし、「関西広域連合・大阪の府市統合―大阪府の政策を聞く」と題して、第11回カフェ塾を行いました。中谷さんには多くの資料を用意していただき、個人的見解も交えながら、熱く今後の関西・大阪地区の地域主権について語っていただきました。
主な内容
1. 大阪発「地方分権改革」ビジョン
2. 関西広域連合に対する期待
3. 大阪の府市統合問題に見られる
大都市制度の整理
どれも大きなテーマであり、今後の深まりが必要な分野です。 大阪発「地方分権改革」ビジョンにおいて、分権と集権をキーワードに市町村への権限移譲、大阪市との新たな関係作り―新たな大都市制度の設計、関西広域連合の拡充から遅くとも平成30年には「府内市町村を中核市に」、「新たな大都市制度の実現」、そして「関西州を実現」するという工程表が掲げられています。これらのプランは概ね納得できるものでしょう。 しかしこれは工程表であって、また一応のゴールを示すものですが、それによって何を実現するかがやはり明確ではありません。中央集権型システムを解体することが目的ではないはずです。
つまり、道州制―関西州を実現することで、国民国家体制が変わるのであって、国家の外部環境と内部環境の変化に対して国家体制を変えるという覚悟が国民にないと、実現できないことを私たちは目指しているのです。 それがなければ、国の権限移譲の受け皿として関西広域連合が今後拡充していったとしても、事務の効率化と広域行政の合理化は図れても、「戦略」は生まれてこないと思います。なぜなら、政治経済主体の関西州は一方の政治経済主体の日本国の国家戦略を理解していないからです。皮肉なことに道州制は地域問題ではなく、国家マタ―なのです。 この文脈で大都市制度も設計していかなくてはならないでしょう。 今回は一般に知られている制度として次のようなものが紹介されました。
i. 政令指定都市制度
ii. 大阪都構想をはじめとする都区制度
iii. 府県と市の権限を併せ持つ特別市制度から「都市州」構想。
さて、国家戦略として、さらに主権在民の道州制を考えるなら、コミュニティー=共同体の集合としての「都市国家」が中心と周辺をもつのは当然です。またこれら都市国家の「間」にこそ道州という広域政治体を設立する意味もあるのです。 少し抽象的な言い回しになりましたが、「未知の領域に踏み込む日本」を英国のエコノミスト誌が特集しています。具体論は変わらなくともその意味を十分理解しておくことが今後重要になってくるように思います。